東京都文京区・小伝馬町の整体院、接骨院
脊椎狭窄症
3カ所に及ぶ脊柱管狭窄症による神経圧迫──プロゴルファーが再発を乗り越え、競技復帰を果たすまで
女性・プロゴルファー
メインテナンス:月2回程度

「競技を続けるために、手術はしたくないんです」

初診時、そう話してくれたのはプロゴルファーとして活動するY.Fさん。

2018年4月、トレーニングとレッスン活動中に急激な腰痛が発症し、立ち上がれないほどの激痛と歩行困難に見舞われたとのことでした。

これは、直前まで受けていた10回にわたる強圧的な整体施術(いわゆる、「ゴリゴリ・バキバキ系施術」)の後に発症したものです。

発症以前から、下肢に断続的な痺れはあったそうですが、明確な発症のタイミングはこの腰痛でした。当時通った整形外科での診断は「腰椎神経圧迫障害(脊柱管狭窄症)」。

ブロック注射が施行されましたが、痛みの軽減は得られず、運動はもちろん日常生活にも大きな支障が出たため、紹介先の病院で安静入院となりました。

注射後には、左脚の筋力が大きく低下し、特に股関節から大腿部の出力低下が顕著だったそうです。医師によれば、これは注射の副作用ではなく、神経圧迫による神経機能の障害が原因とのことでした。

現役続行のために、手術は拒否。

2019年6月、腰部の症状が再び悪化。MRIなどで再評価が行われ、再発が確認されました。

この時点で手術も選択肢として検討されましたが、Y.Fさんは歩行が可能であったこと、また競技活動への復帰を希望していたことから、主治医と相談のうえ手術を拒否し、保存療法を選択されました。

様々な整体・整骨院を転々とし、「小石川整骨院」へ

その後は、整骨院・施術院を複数回通院された上で、当院に来院されました。

私たちが担当する中で、最も重視したのは「プロゴルファーとしての身体機能をどう維持・回復していくか」という点でした。特に、ゴルフ競技に不可欠な体幹バランスや下肢の筋出力を意識した施術とケアを継続的に行いました。

現在の身体状況と生活・競技活動(2025年5月現在)

Y.Fさんの症状はとても重いものでした。そのため、プロゴルファーとして活動が再開できるまでには、結果として3年間に渡る通院が必要となりました。

2025年5月現在、Y.Fさんはプロゴルファーとしての活動を再開されています。痛みは管理可能な範囲にあり、日常生活やレッスン業務にも大きな支障は出ていません。

ただし、以下のような制限が残っています。

現在の症状・機能的制限

  • 左脚の筋力は完全には回復しておらず、踏ん張りやフルスイング時のバランス保持には注意が必要。
  • 腰部に重だるさを感じる日があり、過度な回旋動作や反復練習は制限している。
  • 長距離歩行や移動による疲労が溜まりやすいため、ストレッチや定期的なケアが欠かせない。

生活・競技への影響

  • トーナメントへの出場やゴルフスイングは可能だが、スケジュールには余裕をもたせ、無理のない範囲で対応。
  • メインであるレッスン業務も継続しており、整骨院での定期的なケアとセルフリハビリを併用しながらコンディション維持を図っている。
  • 食事・睡眠・体幹トレーニングなど、生活全般にわたるコンディショニング管理も実施されている。

今後の方針

プロとしての競技を継続していくうえで、以下の点を重視していく予定です。

  • 月2回以上の専門施術とコンディショニングケアの継続
  • 症状の悪化時には、早期に対応するための判断を優先すること

神経障害を伴う腰椎疾患は、完治が難しいケースも多く、再発とどう向き合うかが重要になります。同様の症状で悩む方の参考となれば幸いです。

この記事を書いたのは
小石川整骨院 春日院 佐藤 博紀

整骨院、整形外科を経て19年から小石川整骨院へ。整体術の探求は仕事でもあり、趣味でもある。磨き上げた技術で、お年寄りからアスリートまで慢性疾患を抱えた患者様を完治へ導いている。